総合販売管理ソフト『千客万来』


 当社は、一般商店メーカー・問屋業などから委託されたオーダーメイドソフト開発を多く扱ってきました。納品書を発行して、請求書を確定するするシステムです。MS-DOS以前から数多くこのようなソフト開発に携わってきたノウハウを注ぎ込み、完成させたのが『千客万来Version1.0』です。当時は、コンピューターそのものが高価でスペックも低かったので、単体で使うシステムで殆どでした。ネットワーク環境がパソコンでも使えるようになり、そこで開発したのが『千客万来Version2.0』です。MS-DOSとサーバーにノベル社のネットウェアを採用システムです。ここまでがMS-DOSの時代で、『千客万来Version3.0』はWindows95を対象とするシステムに移行しました。またサーバーも当時では珍しく、時期尚早の声もありましたが、その後の発展を見込んでマイクロソフト社のSQLサーバーを採用しました。これが目論見通りで、その後の当社のソフト開発に大きく影響をもたらすことになります。

 最も販売実績のある『千客万来Version3.1』は、現在のマイクロソフト社のWindows95用アプリケーション・ソフトがまだ少なく、MS-DOSが主流の時代から、純粋なWindows用のソフトとして販売を続けてきました。特に他社の多くのソフトがまだWindows3.1用でありましたので、純粋なWindows95用のソフトは当社のこの販売管理システムくらいしかなかったといっても過言ではありませんでした。他社に半年以上先駆けてWindows95用のソフトを開発しました。現在、『千客万来Version3.1』は改良を重ねて『千客万来2001』〜『千客万来XP』として販売しています。これは単なる販売管理システムではなく、保存されたデータを様々に駆使することによる戦略的経営を行うことができる点が他に追随を許さない仕上がりになりました。

 ソフトそのものは、小売店・卸を問わない、総合販売管理ソフトで、スタンドアロンバーションからマイクロソフト社のSQLサーバーを中心としたネットワークシステムバージョンまで構成しています。開発の課題は、“多くの機能を兼ね備えた”上で“使いやすさ”を追求するという二極相反するテーマを課題に開発チームを結成しました。他社のWindows上ソフトはマウスを多用するという操作性の悪さに対して、実務に適したキーボード操作中心で伝票入力の快適さや一貫性を保っています。

データに一貫性を持たせることにより、見積・受注・発注・仕入・売上・在庫の各流れに沿ってデータが移行するために、データ再入力の手間が無くなり、受注残・発注残や最大売掛金のチェックができ、戦略的な経営を手助けします。

商品マスターは、商品コード+サイズコードで構成しています。それぞれが13桁のJANに対応しており、コードそのものに数字以外にアルファベットを用いることが出来ます。また、データ入力の手間とデータ区分を分かりやすくできるようにというコンセプトで開発しました。規格部費・構成部品などに効果を発揮します。例えば、ボルトがあるとし、太さに対して長さがそれぞれあります。「その太さで商品コードをとり、長さでサイズコードをとる」とその商品を指定すれば、それに関係するサイズ一覧が範疇表示でき、ユーザーにとっては商品を検索しやすく、絞りやすくなります。また、商品マスターには、メーカー・分類・部門の情報を独立した系統で持たしています。そうすると、全く異なった観点から商品を分析することも可能となります。

また、ユーザーは必要な帳票や分析資料などをソフトメーカーに開発依頼する必要があり、費用と時間が発生してしまいましたが、当社は、データをマイクロソフト社のアクセスやエクセルでインポートして各自で編集・加工できるオープンデータベース・システム(ODBS)を採用しています。これにより、メイン・データベースを傷つけることなく、ユーザーレベルでジャストインタイムに必要な情報をカスタマイズできるメリットがあります。

他社のソフトと最も大きく異なるところは月次更新処理が無い点です。他社のソフトは、請求書を発行すると、その月の売上入金データは既に済みというものをコンピューターにチェックフラッグを立てる必要があります。請求書を発行した担当者は、請求書発行後に必ず・速やかに月次更新処理を行わなければなりません。しかし、実際の作業では請求書を夜中出力しておいて、翌朝内容を確認して月次処理を行いますが、この処理を忘れてしまったり、更新後、未入力の前月分伝票を発見する場合もあります。『千客万来』では、これらの処理を自動的に行えるリニュアリング・データベース・システム(RDBS)を設計時点でマトリックス的なアルゴリズムを採用しました。それにより、基本的に売上伝票・入金伝票及び仕入伝票・支払伝票を入力するだけでよいのです。もちろん、一会計期間内で日付遡り伝票を入力しても、RDBSにより瞬時に自動的に残高調整します。

年次更新処理は、スパゲッティ・データになるとデータ検索処理が年々遅くなるので、ここにも当社独自の工夫を凝らしました。ハードウェアの容量が許す限り、何年でも更新できるようにしています。

セキュリティー面では、日々のデータ入力終了時に手動でデータ・バックアップする処理や、指定した時間に自動的にデータ・バックアップ処理する機能も搭載しています。また、突発的な停電の際のデータ復旧処理プログラムを完備しています。

また、スタンドアロンバージョンで簡単な売上管理をしたい商店主向けに簡易売上管理ソフト『千客万来ライト』という廉価版を開発・販売しています。納品書発行・請求書発行・売掛残高一覧表など最低限必要な機能に限定し、まずコンピューターの売上管理に慣れていただくというコンセプトです。もちろん、これ以上望まれるユーザーについても『千客万来』の最新版にバージョンアップできるようデータに互換性を持たせていますので、今までの資産をそのまま活用できます。